大網は、胃の大弯から広がり、エプロンのように腸管の表面に下垂する腹膜の二重葉です。この葉は横行結腸と結腸間膜に癒着し、自由に移動可能です。大網は通常、横行結腸を越えて下腹部の小腸の迂曲部の前にまで広がります。また、腹膜腔の陥凹部に強く引き込まれることもあります。大網が胃の大弯と横行結腸の間に広がる部分は、胃結腸間膜と呼ばれます。大網の付着部には、胃の大弯に分布する血管弓が存在します。大網は左側で脾臓の脾門に接続し、この部分を胃脾間膜と呼びます。大網には多くの脂肪細胞と免疫系の細胞が存在し、乳斑を形成しています。大網は、腹膜腔内の炎症による被包に巻き込まれることがしばしばあり、その場合には癒着したり、腹部の臓器と共に拡大する可能性があります。
日本人のからだ(村上 弦 2000)によると
大網
大網の形状は、癒着の進行により生後に大きく変化します。佐藤ら(1960)は大網の癒着を面状、膜状、索状に分類し、それを統計化しています。大網内の動脈弧の形態には個体差が大きいですが、日本における報告はないということです(佐藤、1993)。