腹腔 Cavitas abdominis; Cavitas abdominalis

腹腔(cavitas abdominis / abdominal cavity)は、横隔膜の下面から骨盤入口(pelvic inlet)までの体幹内腔で、腹壁(前外側腹壁・後腹壁)と腹膜(peritoneum)により区画され、消化管を中心とする腹部内臓を収める。腹腔は「腹膜腔(peritoneal cavity)」そのものと同義ではなく、腹腔という“空間”のうち腹膜に被覆される領域・被覆されない領域(後腹膜・腹膜下など)を含む点を明確に区別することが臨床上重要である(Standring, 2021;Moore et al., 2018)。

1. 境界・区画(解剖学的肢位での記述)

2. 腹膜(peritoneum)と腹膜腔(peritoneal cavity)

腹膜は漿膜であり、壁側腹膜(parietal)臓側腹膜(visceral)に連続する。両者に挟まれた腹膜腔は“潜在的空間”で、少量の漿液により摩擦を低減する(Standring, 2021)。

3. 腹膜内(intraperitoneal)と後腹膜(retroperitoneal)・腹膜下(subperitoneal)

腹腔内臓は腹膜との関係で臨床的に分類できる(Standring, 2021;Moore et al., 2018)。

4. 腹腔内の“間隙”と臨床的意義

腹腔の感染・出血は、腹膜腔内だけでなく、腹膜外(腹壁内)や後腹膜のコンパートメントを通じて広がる(Standring, 2021)。