尿道舟状窩 Fossa navicularis urethrae

解剖学的特徴

尿道舟状窩とは、男性の外部尿道口の直前に位置する尿道の拡張部分です。解剖学的には、亀頭の遠位端近くに存在し、舟の形に似ていることから「舟状窩」と命名されました(Gray and Williams, 2015)。この部位は尿道海綿体の一部を形成し、平均して6〜8mm程度の長さがあります。

組織学的特徴

組織学的には、この部分の粘膜上皮は重層扁平上皮で覆われており、外部尿道口に向かって移行上皮から変化します(Ross and Pawlina, 2018)。尿道舟状窩の粘膜下には、小さなリトレ腺(尿道腺)が存在し、粘液を分泌して尿道を潤滑します。

臨床的意義

臨床的意義としては、尿道舟状窩はいくつかの病態との関連があります(Drake et al., 2020):

参考文献

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J0787 (男性の骨盤臓器の正中矢状断:左側からの右半分の図)

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J0792 (陰茎の断面図:陰茎亀頭の前部の断面)