陰茎根 Radix penis

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J0788 (陰茎、球海綿体筋および筋膜と皮膚の一部を除去:下方からの図)

陰茎根は陰茎の基部に位置し、恥骨結合下部と会陰の間に存在する解剖学的構造である。体表からは観察できないこの領域は、主に3つの主要構造から構成される (Gray et al., 2020)。

解剖学的構成

  1. 陰茎脚 (crura penis):左右一対の海綿体柱の近位部で、坐骨恥骨枝に強固に付着し、陰茎海綿体の起始部を形成する。これらは尿道海綿体の両側に配置され、陰茎白膜によって包まれている (Standring, 2021)。各陰茎脚は坐骨海綿体筋に覆われ、勃起時の血液貯留に重要な役割を果たす (Netter, 2022)。
  2. 尿道球 (bulbus penis):尿道海綿体の近位拡大部で、球海綿体筋に覆われている。この部分は豊富な静脈叢と海綿体組織を含み、勃起メカニズムにおいて重要な血液貯留部位となる (Moore et al., 2019)。尿道球は会陰膜の下面に位置し、排尿および射精時に球海綿体筋の収縮により尿道内容物を前方に押し出す機能を有する (Agur and Dalley, 2021)。
  3. 陰茎懸垂靭帯 (suspensory ligament of penis):恥骨結合および恥骨結合下部から陰茎深筋膜に向かって伸びる強靭な線維性組織で、陰茎を前腹壁に固定し、勃起時の陰茎の角度と安定性を維持する (Netter, 2022)。この靭帯は弾性線維と膠原線維から構成され、陰茎の支持構造として機能する (Walsh et al., 2020)。

血管神経支配

陰茎根部は内陰部動脈の分枝である陰茎深動脈および陰茎背動脈によって栄養される。静脈還流は陰茎深静脈および陰茎背静脈を経由して行われる (Gray et al., 2020)。神経支配は陰部神経 (S2-S4) の陰茎枝により行われ、体性感覚および運動機能を司る (Moore et al., 2019)。また、勃起機能には骨盤神経叢からの副交感神経線維が重要な役割を果たす (Walsh et al., 2020)。

臨床的意義

陰茎根部の解剖学的理解は、以下の臨床場面で重要である:

参考文献