射精管は前立腺内にある狭いノズル状の精管の最終部分であり、射精は性行為時などの性的興奮が高まるにつれ、陰茎亀頭の外尿道口の部分が濡れてくることで始まります。この現象は、尿道球腺の分泌活動が高まったためです。次に、陰茎亀頭への摩擦刺激やその他の性的刺激が加わると、交感神経系の活動が起こります。この活動は、両側の精巣上体管、精管、精嚢、前立腺における交感神経支配下の滑液筋線維群の収縮を引き起こし、精巣が精嚢および前立腺分泌物とともに尿道前前立腺部へと排出されます。そして、球海綿体筋のリズミカルな収縮が起こり、これによって尿道が狭まり、排出液が球尿道腺や海綿体部尿道腺からの分泌物と混ざった上体で外尿道口から射出されます。このとき、膀胱括約筋は収縮し、精子が膀胱内に流れ込むことを防ぎます。体外へと射出された精子と性器付属腺分泌物の混合液を精液と称します。射精は中枢神経内での大きな神経活動を伴います。深頚部の興奮は脊髄まで下行し、胸腰髄節(T1~L2)の交感神経節前ニューロンを刺激します。交感神経節後ニューロンの軸索突起の多くは、第1~2腰部交感神経節内の細胞体より発するものですが、より下位の交感神経節からも発するものがあります。これらの軸索突起は下下腹神経叢を経由して精管、精嚢、前立腺などに到達します。