射精管 Ductus ejaculatorius

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J0774 (男性の膀胱、適度に拡張され開放された:前方からの図)

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J0784 (前立腺と精嚢、精管:前上方からの図)

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J0785 (射精管、前部および上部)

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J0787 (男性の骨盤臓器の正中矢状断:左側からの右半分の図)

解剖学的特徴

射精管は前立腺内に位置する解剖学的構造であり、精管の最終部分として機能します(Moore et al., 2018)。各射精管は精嚢管と精管膨大部の合流によって形成され、長さは約2cm、直径は0.5mm程度の狭いノズル状の管腔構造を呈します(Standring, 2020)。前立腺の後上部から前立腺組織内を前下方に走行し、尿道の前立腺部(精丘付近)に開口します(Nguyen et al., 2007)。

射精管の内腔は円柱上皮に覆われており、その周囲には平滑筋層が存在します(Krstic, 2004)。この平滑筋層は交感神経支配により収縮し、射精時に精液を尿道へと推進する役割を担います(Giuliano and Clément, 2005)。射精管の解剖学的変異は個体差が大きく、臨床的に重要な意味を持ちます(Nguyen et al., 2007)。

射精の生理学的メカニズム

射精過程は大きく分けて2つの相からなります:射精前相(emission phase:精液の尿道内への移動)と射精相(expulsion phase:精液の尿道からの排出)です(Giuliano and Clément, 2005)。

**射精前相:**性的興奮の初期段階では、陰茎亀頭の外尿道口が尿道球腺(カウパー腺)からの分泌液で湿潤化します(Marberger, 1974)。性的刺激が継続すると、第10胸髄から第2腰髄レベル(T10-L2)の交感神経系が活性化し、以下の組織における平滑筋の収縮が引き起こされます(McKenna et al., 1991):

これらの収縮により、精子と各腺からの分泌液が混合され、尿道前立腺部へと排出されます(Marberger, 1974)。この際、膀胱頸部括約筋(内尿道括約筋)は交感神経の作用により収縮し、精液の膀胱内への逆流(逆行性射精)を防止します(Bohlen et al., 2000)。

**射精相:**第2-4仙髄(S2-S4)からの体性神経支配(陰部神経)による球海綿体筋と坐骨海綿体筋のリズミカルな収縮(約0.8秒間隔)が起こり、これによって精液が外尿道口から射出されます(Shafik, 1995)。この収縮パターンは直腸内圧測定により定量的に評価することが可能です(Bohlen et al., 2000)。

神経支配

射精の神経制御は複雑な反射経路によって調整されています(McKenna et al., 1991):

  1. **感覚入力:**陰茎の感覚神経(陰部神経)を介して脊髄へ伝達 → 主に陰茎亀頭と陰茎皮膚からの機械的刺激が射精反射を誘発
  2. **交感神経経路:**胸腰髄(T10-L2)→ 下腹神経叢 → 下腹神経 → 骨盤神経叢 → 各生殖器官 → 射精前相(emission)を制御
  3. **体性神経経路:**仙髄(S2-S4)→ 陰部神経 → 会陰筋群(特に球海綿体筋) → 射精相(expulsion)を制御

射精の統合的制御は主に脊髄レベル(胸腰髄と仙髄)で行われますが、視床下部や辺縁系を含む上位中枢からの入力も重要な役割を果たしています(Coolen et al., 2004)。特に射精反射の潜時と強度の調節には、縫線核からのセロトニン作動性神経が関与しており、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)による射精遅延効果の基盤となっています(Waldinger, 2002)。