精嚢

精嚢は、男性生殖器系の重要な器官であり、以下のような特徴を持ちます:

かつては精子を貯蔵する器官と考えられていましたが、実際には正常な状態で精子を貯える機能はありません。また、加齢に伴うホルモン産生の減少により、精嚢は萎縮します。

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J0592 (右側の閉鎖動脈の末端分枝(男性の骨盤):腹側からの図)

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J0593 (男性骨盤の動脈、左方からの図)

日本人のからだ(村上 弦 2000)によると

精嚢の変異

先天性単腎症の175例中8例で精嚢の異常が見られ、そのうち2例は欠損状態でした(川野, 1964)。また、守殿ら(1972)は28歳の男性不妊症例で、左精管欠損と右陰嚢内に腫瘍として精嚢が存在する1例を報告しています。

異所性陰嚢

会陰部副陰嚢については、5件の報告があります。野口ら(1984)の報告では、通常の陰嚢の左後方に副陰嚢があり、その皮下には平滑筋組織が豊富な肉質の膜が見られ、陰嚢縫線は副陰嚢の右縁を通じて肛門へと向かいます。また、陰茎前位陰嚢については51件の報告があり、そのうち58.2%が尿道下裂を伴っています(鳥居ら,1988)。異所性陰嚢分離症では、片側または両側の陰嚢が鼠径部や大腿部などに形成され、ヘルニアのような外観を呈します。多くの場合、精巣は異所性陰嚢内に存在します(桜井ら, 1974 ; 佐長・小宮, 1976)。