
J0797 (女性の骨盤臓器の正中矢状断面:左側からの右半分の図)

処女膜は胎生期の尿生殖洞の背側壁から発生する薄い結合組織性の膜状構造で、腟の入口部に位置しています(Moore et al., 2018)。組織学的には重層扁平上皮に覆われた結合組織からなり、少量の弾性線維、膠原線維、血管、神経終末を含みます(Standring, 2020)。
処女膜の形態的バリエーションは豊富で、以下のような様々なタイプが存在します(Acién and Acién, 2016):
処女膜は通常、初回性交時などの物理的刺激により裂傷し、不規則な小葉状の構造(処女膜痕、hymenal carunculae または myrtiform carunculae)として残存します(Adams et al., 2004)。法医学的には処女膜の状態は性的暴行の証拠として調査されることがありますが、その形態の多様性や非性的原因(タンポン使用、激しいスポーツ活動など)による変化も存在するため、解釈には慎重さが求められます(Heger et al., 2002)。無孔処女膜は思春期に月経血が腟内に貯留する血腫症(hematocolpos)を引き起こすことがあり、外科的切開による治療が必要です(Cvetković and Najman, 2012)。
処女膜は前方で尿道口、後方で会陰体、側方で小陰唇と解剖学的に関連しています(Standring, 2020)。血液供給は内陰部動脈の枝から、神経支配は陰部神経の枝から受けています(Ellis, 2006)。処女膜の厚さや弾力性には個人差があり、これが物理的外傷の受けやすさに影響します(Hegazy and Al-Rukban, 2012)。