卵管は、女性の生殖器において子宮から卵巣に伸びる一対の管で、ファロピウス管とも呼ばれます。卵巣から排卵された卵子を子宮に運ぶ管であり、受精は卵管と特に膨大部で起こります。卵子が受精していれば子宮腔に達して着床します。卵管は漏斗部、膨大部、峡部、子宮部からなります。ガレノスらも記載していますが、ファロピウスの報告で知られたため、彼の名が残っています。また、同じファロピウスの名を冠する顔面神経管は、日本では混乱を避けてファロッピオ管と呼ばれることが多いです。 卵管は卵巣と子宮を結び、卵を子宮へ送ります。卵巣側の端は卵管腹腔口で腹腔に開き、子宮側の端は卵管子宮口で子宮内膜へ開きます。卵巣側の2/3の部分はやや太く、卵管膨大部をなし、その卵巣右端はとくに拡がって卵巣漏斗をつくります。漏斗の縁からは房状の卵管采が放射状に広がり、そのうちの一つ、卵管采は卵巣外側端へ達します。卵管の子宮側は1/3はやや細く、卵管峡部と呼ばれ、その先で子宮壁内を通る部分を子宮部といいます。卵管内面には粘膜のヒダである卵管がよく発達しており、複雑な形を示します。上皮は単層円柱で、繊毛細胞と分泌細胞が混在しています。筋層は内輪外縦で、その外側は漿膜に覆われています。イタリアの解剖学者Gabriele Fallopio [Fallopius] (1523-1563)の名を冠しています。