内尿道口 Internal urethral orifice

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J0773 (女性の膀胱と尿路、膀胱は収縮:尿道を前方から開いている図)

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J0774 (男性の膀胱、適度に拡張され開放された:前方からの図)

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J0787 (男性の骨盤臓器の正中矢状断:左側からの右半分の図)

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J0797 (女性の骨盤臓器の正中矢状断面:左側からの右半分の図)

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J0808 (男性骨盤:前面からの切断面)

解剖学的構造

内尿道口(ostium urethrae internum)は、膀胱と尿道の移行部に位置する重要な解剖学的ランドマークである(Standring, 2021)。この構造は膀胱頸部(cervix vesicae)の最下部に位置し、膀胱三角(trigonum vesicae)の前尖端を形成している(Drake et al., 2020)。内尿道口の直径は通常5-6mm程度であり、ここから尿道前立腺部へと連続している(Moore et al., 2019)。

内尿道口を取り囲む平滑筋線維は内尿道括約筋(sphincter urethrae internus)を構成し、この括約筋は自律神経系により不随意的に制御されている(Tanagho and Smith, 2020)。交感神経の活動により括約筋が収縮することで、蓄尿時の尿失禁を防いでいる(Chapple and Steers, 2018)。組織学的には、内尿道口の粘膜は移行上皮(transitional epithelium)で被覆されており、膀胱粘膜から尿道粘膜への連続性を示している(Ross and Pawlina, 2021)。

男性では、内尿道口の直下に前立腺(prostata)が位置し、尿道を取り囲むように配置されている(Netter, 2019)。この解剖学的関係は、前立腺疾患が内尿道口に及ぼす影響を理解する上で重要である(Wein et al., 2021)。女性では、内尿道口は膀胱底部に位置し、比較的短い尿道(約4cm)へと続いている(Drake et al., 2020)。

臨床的意義

内尿道口は多くの泌尿器科疾患において重要な役割を果たす。前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia: BPH)では、肥大した前立腺組織が内尿道口を圧迫し、膀胱出口部閉塞(bladder outlet obstruction)を引き起こす(Gravas et al., 2022)。これにより、排尿困難、尿線細小化、頻尿、夜間頻尿、残尿感などの下部尿路症状(lower urinary tract symptoms: LUTS)が生じる(Chapple and Steers, 2018)。

前立腺癌においても、腫瘍の進展により内尿道口が狭窄し、同様の閉塞症状を呈することがある(Mottet et al., 2021)。神経因性膀胱では、内尿道括約筋の協調運動障害(detrusor-sphincter dyssynergia)により、排尿障害が生じる(Panicker et al., 2020)。

治療的側面では、経尿道的前立腺切除術(transurethral resection of prostate: TURP)や経尿道的前立腺蒸散術(transurethral vaporization of prostate: TUVP)などの内視鏡手術において、内尿道口は重要な解剖学的指標となる(Wein et al., 2021)。術中に内尿道口から膀胱三角部を損傷すると、術後の尿失禁や膀胱尿管逆流のリスクが増加するため、正確な解剖学的知識が不可欠である(Rassweiler et al., 2018)。

膀胱鏡検査では、内尿道口を通過して膀胱内を観察することが可能であり、膀胱腫瘍、結石、炎症などの診断に用いられる(Smith et al., 2019)。尿流動態検査(urodynamic study)では、内尿道括約筋の機能評価が行われ、神経因性膀胱や過活動膀胱の診断に役立つ(Abrams et al., 2017)。

参考文献