前面(腎臓の)Facies anterior renis

J765.png

J0765 (右腎:前面からの図)

J766.png

J0766 (左腎:前方からの図)

J770.png

J0770 (新生児の腎臓:前方からの図)

解剖学的特徴

腎臓の前面(facies anterior renis)は腹壁に向かって位置する腎臓の表面で、特徴的な膨隆を呈します。右腎の前面は肝臓の右葉下面、十二指腸下行部、右結腸曲と接触し、左腎の前面は脾臓、胃底部、膵臓体部および尾部、空腸、左結腸曲と解剖学的関係を持ちます(Gray et al., 2020; Standring, 2021)。これらの隣接臓器との位置関係は、腹部手術や画像診断において臨床的に重要な意義を持ちます。

構造と機能

腎前面の内側縁中央部には腎門(hilum renale)が存在し、ここを通じて腎動脈が流入し、腎静脈と尿管が流出します(Standring, 2021)。腎臓は後腹膜腔に固定されているため、呼吸性移動は限定的ですが、この解剖学的配置により腹部外傷時には前面が損傷を受けやすい特徴があります(Moore et al., 2018)。腎前面は腹膜により部分的に覆われており、右腎前面の上部は肝腎陥凹(Morison's pouch)に接しています。

臨床的意義

臨床実践において、腎前面の形態は超音波検査や腹部CT検査で評価可能であり、腎腫瘍、腎嚢胞、水腎症などの病変の位置特定と進展範囲の評価に重要な指標となります(Netter, 2019)。また、経皮的腎生検、経皮的腎瘻造設術、体外衝撃波結石破砕術などの侵襲的処置において、アプローチ経路の選択に影響を与えます(Drake et al., 2020)。腫瘍が前面に突出する場合、隣接臓器への浸潤リスクが高まるため、術前評価が重要です。

参考文献

東洋医学との関連性