喉頭蓋軟骨 Cartilago epiglottica

J735.png

J0735 (喉頭蓋軟骨:後方からの図)

J736.png

J0736 (喉頭とその靭帯:後方からの図)

J744.png

J0744 (喉頭の正中断、右半分:左方からの図)

解剖学的構造

喉頭蓋軟骨は弾性軟骨(elastic cartilage)で構成される薄い板状の構造物で、木の葉またはテニスラケットに類似した特徴的な形態を呈する。舌根の後方から上方かつ後方に突出し、嚥下時に喉頭口を覆う役割を担う。

構造的には、弾性軟骨(黄色軟骨)で構成され、多数の小孔を有する。形態学的には、広い上部(喉頭蓋葉部)と細い下部(喉頭蓋茎部)から成り、前面は凹面、後面は凸面を形成する。喉頭蓋茎部は甲状喉頭蓋靭帯(thyroepiglottic ligament)によって甲状軟骨の内側上部に固定されている。背面には喉頭蓋結節(tuberculum epiglotticum)という小さな隆起が存在する。

周囲の解剖学的関係

前面は舌根、舌骨体と関係し、舌骨喉頭蓋靭帯(hyoepiglottic ligament)で連結している。側面では披裂喉頭蓋ヒダ(plica aryepiglottica)により喉頭口の側壁を形成する。喉頭前庭は喉頭蓋の後面と披裂軟骨の前面の間の空間である。喉頭蓋谷(vallecula epiglottica)は舌根と喉頭蓋の間の陥凹部を指す。

臨床的意義

嚥下機能において、嚥下時に喉頭が挙上し、喉頭蓋が後方へ傾くことで気道を保護する重要な役割を果たす。食物の気道侵入を防ぐ重要なバリア機能を持つ。

臨床的には、喉頭蓋炎は細菌感染による急性炎症で、急速に呼吸困難をきたす可能性がある緊急疾患である。気管挿管の際の重要な解剖学的ランドマークとして利用される。また、喉頭蓋の形態異常が睡眠時無呼吸症候群の病態の一因となることがある。

発生学

発生学的には、第4咽頭弓から発生し、舌骨下筋群と同じ由来を持つ。初期は軟骨組織ではなく間葉組織の凝集として始まり、徐々に弾性軟骨へと分化する。

参考文献