喉頭 Larynx

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J0729 (甲状軟骨と輪状軟骨:右方からの図)

J0730 (甲状軟骨と輪状軟骨:前方からの図)

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J0731 (輪状軟骨:後方からの図)

J0732 (輪状軟骨:右側からの図)

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J0733 (右の披裂軟骨:前外側方からの図)

J0734 (右の披裂軟骨:後内側方からの図)

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J0735 (喉頭蓋軟骨:後方からの図)

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J0736 (喉頭とその靭帯:後方からの図)

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J0737 (喉頭とその靭帯:右側からの図)

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J0738 (喉頭筋:右側からの図)

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J0739 (内側の喉頭筋:右側からの図)

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J0740 (喉頭筋:後方からの図)

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J0741 (声帯の高さでの喉頭の断面、上方からの図)

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J0742 (静かに息を吸うときの喉頭の喉頭鏡像)

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J0743 (喉頭口と喉頭腔:上方からの図)

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J0744 (喉頭の正中断、右半分:左方からの図)

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J0745 (喉頭の前頭断、前半部:後方からの図)

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J0746 (喉頭の前部を通る前向きの切断図)

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J0976 (右交感神経の胸部網状組織、右前方からの図)

1. 位置と基本構造

喉頭は咽頭と気管の間に位置する正中構造物で、第4〜第6頚椎の高さに存在し、気道の一部を形成しながら発声器として重要な役割を果たしている(平山, 1961)。成人男性の喉頭は垂直方向に約44mm、前後径約36mm、横径約43mmの大きさである。

解剖学的には、前方と外側を皮膚と舌骨下筋群(胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋など)に覆われ、後方は咽頭の喉頭部と接している(四家, 1981)。上部は咽頭腔に突出して喉頭口(aditus laryngis)を形成し、下方は気管へと連続する。

2. 構成要素

喉頭軟骨

喉頭の骨格を形成する軟骨群には、甲状軟骨(最大)、輪状軟骨、披裂軟骨(左右一対)、喉頭蓋軟骨、小角軟骨(サントリーニ軟骨)、楔状軟骨(ウリスベルク軟骨)がある(佐藤ら, 1980)。組織学的には、甲状軟骨と輪状軟骨は硝子軟骨、その他は弾性軟骨から構成される。加齢に伴い化骨が進行し、甲状軟骨では男性が20歳代、女性が40歳代から化骨が開始する(杉山ら, 1980)。

喉頭靱帯と膜

弾性円錐(conus elasticus)は声帯ヒダの主要成分で、声帯靱帯を含む(栗田, 1980)。喉頭蓋靱帯や四角膜なども重要な構造である。

喉頭筋

内喉頭筋(声帯筋、後輪状披裂筋、側輪状披裂筋、甲状披裂筋、披裂筋など)と外喉頭筋(舌骨下筋群)に分類される(島袋, 1969)。特に声帯筋(甲状披裂筋の内側部)は声帯の緊張調節に重要である。

3. 喉頭腔の構造

喉頭腔は声帯ヒダにより上喉頭腔(前庭)、中喉頭腔(声門)、下喉頭腔の3部に分けられる(藤田, 1944)。声門は最も狭く、成人男性で約23mm、女性で約17mmの前後径がある。前庭ヒダと声帯ヒダの間には喉頭室(モルガニ洞)があり、その上方に喉頭小嚢が存在する。

4. 神経支配と血管分布

迷走神経の分枝である上喉頭神経(内枝は感覚、外枝は運動)と反回神経(主に運動)により支配される(島袋, 1969)。反回神経麻痺は声帯の運動障害を引き起こし、嗄声や誤嚥の原因となる。上喉頭神経外枝は輪状甲状筋のみを支配し、高音発声に関与する。

血管分布については、上甲状腺動脈と下甲状腺動脈から分枝する上喉頭動脈と下喉頭動脈により栄養され、静脈は上・中・下甲状腺静脈に還流する。

5. 臨床的意義

喉頭は気道保護(誤嚥防止)、呼吸調節、発声という3つの重要な機能を担っている(古沢, 1980)。喉頭癌、声帯ポリープ、喉頭浮腫、声帯麻痺などの病態が生じ得る(中井ら, 1999; 田中ら, 1991)。また、気管挿管や気管切開などの救命処置の重要な標的となる。

小児では相対的に喉頭が高位にあり、かつ漏斗状であるため、成人とは異なる解剖学的・臨床的配慮が必要である(小河原, 1988; 森満ら, 1981)。