鼻 Nasus

J1069 (外側の鼻の軟骨:下方から自由に剖出)
鼻は外鼻(external nose)と鼻腔(nasal cavity)から構成される呼吸器系の重要な入り口です。解剖学的に気道の最上部を形成し、以下の生理学的機能を持ちます(Moore et al., 2018):
- 空気調整:吸入された空気の除塵、加温、加湿
- 嗅覚受容:嗅神経を介した嗅覚情報の処理
- 発声補助:共鳴腔として音声形成に寄与
- 防御反射:くしゃみなどの気道保護反射機能
1. 外鼻の構造解剖学
1.1 外鼻の全体像
外鼻は顔面のほぼ中央に位置する三角錐状の突起で、その形態は人種や個人差が大きいことが特徴です(Standring, 2020)。外鼻は骨性部と軟骨性部から構成され、上部約1/3が骨、下部約2/3が軟骨によって支持されています(Netter, 2019)。
1.2 外鼻の部位区分
解剖学的に以下の部位に区分されます(Moore et al., 2018; Standring, 2020):
- 鼻根(radix nasi):両眼の間に位置し、前頭骨と接する部分。鼻骨の上端に相当します。
- 鼻背(dorsum nasi):鼻根から鼻尖に向かう正中の稜線。鼻骨および外側鼻軟骨によって形成されます。
- 鼻尖(apex nasi):三角錐の頂点に相当する前方への突出部。大鼻翼軟骨によって形成され、最も突出した部分です。
- 鼻翼(alae nasi):外鼻孔の外側で広がる可動性のある膨らみ。小鼻とも呼ばれ、呼吸時に動きます(「コバナ」とも呼ばれる)。
- 外鼻孔(nares):三角錐の底面に開口する2つの入り口。前鼻孔とも呼ばれ、鼻腔への入り口となります。
1.3 骨格構造
外鼻の骨格は以下の要素で構成されます(Standring, 2020; Netter, 2019):