鼻 Nasus [Nose]
鼻は外鼻(external nose)と鼻腔(nasal cavity)から構成される呼吸器系の重要な入り口です。解剖学的に気道の最上部を形成し、以下の生理学的機能を持ちます(Moore et al., 2018):
- 空気調整:吸入された空気の除塵、加温、加湿
- 嗅覚受容:嗅神経を介した嗅覚情報の処理
- 発声補助:共鳴腔として音声形成に寄与
- 防御反射:くしゃみなどの気道保護反射機能
1. 外鼻の構造解剖学
外鼻は顔面のほぼ中央に位置する三角錐状の突起で、その形態は人種や個人差が大きいことが特徴です(Standring, 2020)。解剖学的に以下の部位に区分されます:
- 鼻根(radix nasi):両眼の間に位置し、前頭骨と接する部分
- 鼻背(dorsum nasi):鼻根から鼻尖に向かう正中の稜線
- 鼻尖(apex nasi):三角錐の頂点に相当する前方への突出部
- 鼻翼(alae nasi):外鼻孔の外側で広がる可動性のある膨らみ(「コバナ」とも呼ばれる)
- 外鼻孔(nares):三角錐の底面に開口する2つの入り口
2. 組織学的特徴
外鼻の皮膚は部位によって構造が異なります(Ross and Pawlina, 2016):
- 鼻背部:骨・軟骨と可動的に結合し、皮下脂肪層は薄い
- 鼻尖・鼻翼部:軟骨と非可動的に結合し、脂腺の発達が顕著(ニキビができやすい臨床的特徴)
- 皮膚全体:多数の毛包と脂腺を含み、鼻尖部は特に皮脂分泌が活発
3. 筋肉解剖
外鼻の皮下には以下の表情筋が存在します(Netter, 2019):