十二指腸

十二指腸は、消化管の一部で、胃の幽門から十二指腸空腸曲までの約25cmの腸管です。その主な特徴は以下の通りです:

十二指腸は消化と栄養吸収において極めて重要な役割を果たしています。

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J0587 (腹部内臓最深層の動脈:腹面図)

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J0589 (前腸間膜動脈の枝:腹面図)

日本人のからだ(村上 弦 2000)によると

(1)十二指腸ループ

十二指腸ループは5つの型に区別されます(図21) (服部, 1930)。胎児では輪状型のループが多いですが、生後にループが上下方向に開き、下行部と水平部の間に角がしばしば生じます。老人では、幽門部あるいは十二指腸空腸曲の下垂に伴い、ループが再び変形します(服部, 1930)。

十二指腸ループの異常としては、下行部の欠損やαループ(図22) (十束ら, 1994)があり、これらに中腸全域の回転異常を伴うケースも存在します。Inverted duodenumと呼ばれるループ異常の報告もあり、全体または部分的に逆行像を示すとされています(後町・井林, 1967)。

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