舌粘膜 Tunica mucosa linguae

1. 基本構造

舌粘膜は、舌の表面を覆う粘膜組織であり、次の層から構成されている（Ross and Pawlina, 2016）： ・粘膜上皮 ・粘膜固有層

2. 解剖学的区分

舌粘膜は解剖学的に2つの主要部位に区分される（Standring, 2020）：

• 舌背面（背側）粘膜
• 舌下面（腹側）粘膜

3. 舌背面の特徴

舌背面の粘膜は以下の特徴を持つ（Mescher, 2018）：

• 重層扁平上皮で覆われている
• 多数の舌乳頭（乳頭状突起）が存在する

4. 舌乳頭の種類

舌乳頭は4種類に分類される（Nanci, 2017）：

• 糸状乳頭（papillae filiformes）：最も多数存在し、味蕾を持たない
• 茸状乳頭（papillae fungiformes）：きのこ状の形態で、味蕾を含む
• 葉状乳頭（papillae foliatae）：舌の側縁に位置し、味蕾を含む
• 有郭乳頭（papillae vallatae）：舌の後方部に位置し、溝で囲まれた構造を持ち、多数の味蕾を含む

5. 味覚機能

味覚の特徴（Chandrashekar et al., 2006）：

• 糸状乳頭を除く3種類の乳頭には味蕾（taste buds）が存在する