ソウゲ質は、歯髄腔を包む歯の主体をなす硬組織で、一般に淡黄色です。エナメル質より弾性があり、骨よりやや硬いですが、エナメル質よりは軟らかいです。エナメル質と異なり、ソウゲ質の有機成分は全体の約20~30%を占め、残りの70%が無機質です。その名前の由来となった長鼻類(ゾウ)の牙は、動物界で最大のゾウゲ質です。ソウゲ質の有機成分は、膠原原線維と基質のムコ多糖類からなります。無機質は、骨、セメント質、およびエナメル質と同じく、ハイドロキシアパタイトからなっています。歯の主要部分である無機質と有機質(主に膠原線維)からなる。歯髄側からは低石灰化の前象牙質と本来の象牙質があり、これら二つの象牙質には多数の細管が走っています。これらの細管は「象牙細管」と呼ばれ、歯髄を中心にしてエナメル象牙鏡まで伸び、途中で側枝を出して隣接する細管と接続し、さらにこれらの細管の中にトームス線維が含まれています。トームス線維は線維といっても、膠原線維のようなものではなく、歯髄側に位置する象牙芽細胞の細胞突起そのものです。つまり、象牙芽細胞は、細胞体自体が歯髄にあり、圧倒的に長い細胞突起をエナメル質まで伸ばしていることになります。