口蓋腺

口蓋腺は、硬口蓋の外側部分の粘液固有層と、軟口蓋の粘膜下組織に存在する多数のブドウ状粘液腺で構成されています。

日本人のからだ(島田和幸 2000)によると

口蓋腺は、硬口蓋と軟口蓋の粘膜下に位置し、口蓋の後方2/3を占めています。これは正中線、つまり口蓋縫線に線対称に位置する2つの腺組織から構成されています。岩田(1958)と岡田(1957)による報告によれば、成人では片側の大きさは左右長25mm、前後長38mmであり、腺葉の厚さは前方部で約3mm、後方部では4-6mmです。口蓋腺の位置については、前縁が上顎第1大臼歯を結んだ線上に位置するものが最も多く(60.4%)、ついで第2小臼歯を結んだ線上(22.6%)と報告されています。後縁は軟口蓋の後端まで伸びています。また、後方部では左右の腺組織が癒合し、その癒合位置は第2大臼歯後縁(33.9%)、第3大臼歯(24.5%)が多いとされています。胎生期における形態では、片側の腺組織の横径が胎生4ヵ月では1.5mm、7ヵ月では8.3mm、10ヵ月では13mmに増加し、厚さも同様に胎生4ヵ月では0.5mm以下、7ヵ月では1.1-1.5mm、10ヵ月では1.6-2.0mmに増加すると報告されています(岡田、1957)。

口蓋腺の開口部の数は約150-250個で最も多く、その部位ごとの密度では第3大臼歯部が最も高く、第1大臼歯外側部が最も低いとされています。開口部の形態については、開口部が孔の形態をとるものが硬口蓋の第1大臼歯より前方の部位に多く見られ(62.1%)、これに対して乳頭状の形態をとるものは軟口蓋部に最も多く見られると報告されています(岩田、1958)。