臼歯腺;臼後腺

臼歯腺とは、臼歯の高さに位置する粘膜下唾液腺であり、頬腺に相当します。

日本人のからだ(島田和幸 2000)によると

後方臼歯(第3大臼歯または第2大臼歯)のすぐ後方、頬粘膜の後方部にある臼後三角に存在するのが臼歯腺です。これについては、安藤(1958)による詳細な報告があります。臼歯腺の平均的な大きさは、長さ14mm、幅10mmで、形状は最も多いのが三角形で53.9%、次に楕円形が23.8%、方形が14.3%、二葉形が7.9%と報告されています。

臼歯腺は後方では口蓋腺と、下縁では顎舌骨筋と非常に近い位置関係にあります。口蓋腺との関係については、口蓋腺と一層の結合組織で界するものが78.9%、明瞭に口蓋腺と分かれるものが15.0%、境界が不明なものが6.1%とされています。また、顎舌骨筋との関係については、顎舌骨筋と一層の結合組織で界するものが79.1%、明らかに分かれるものが11.6%、顎舌骨筋の筋束中に入るものが9.3%と報告されています。