顎下腺

顎下腺は、以下のような特徴を持つ重要な唾液腺です:

顎下腺は耳下腺に次ぐ大きさの唾液腺で、唾液の分泌に重要な役割を果たしています。

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J0913 (下顎神経の分岐、深層:右方からの図)

日本人のからだ(島田和幸 2000)によると

顎下腺は、耳下腺に次ぐ大きさの腺で、大部分が口腔底の顎下三角に位置しています。その位置は顎舌骨筋の下で、外面は浅頚筋膜に覆われています。顎下腺の内面下半部は顎二腹筋後腹と顎下三角を形成し、さらに茎突舌骨筋と接しています。これにより、圧溝が形成されることがあります。大越ら(1956)はこの圧溝の出現率が51.8%であると報告しています。

外下面では、顔面動脈・静脈と近接した位置関係にあり、多くの場合、腺を貫通します。しかし、顔面静脈の圧溝である静脈溝が45%にしか認められないとの報告もあります(大越ら、1956)。

顎下腺の主導管である顎下腺管は、腺の後端から出て、顎舌骨筋の後縁を回り、その上に出た後、前内方へ走ります。舌下腺の内側を前進して舌下小丘に開くとされています。開口部付近で大舌下腺管と癒合する場合があると報告されています。