口蓋

口蓋は、口腔の上壁を形成する構造で、鼻腔と口腔を分離する役割を果たします。主に以下の特徴があります:

口蓋の形態は個人差があり、前後(矢状)方向と左右方向に湾曲しています。日本人を対象とした研究では、口蓋の形態や大きさについて様々な報告がなされています。

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J0111 (19cm長胎児(5ヶ月の初め)の口蓋:下方からの図)

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J0672 (口腔:前方からの図)

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J0673 (口蓋:粘膜を取り除いた後に下方からの図)

日本人のからだ(島田和幸 2000)によると

口蓋は固有口腔の上壁を形成します。前部の上顎骨の口蓋突起と口蓋骨の水平板が基礎となる硬口蓋と、後部の骨を含まない筋層だけの軟口蓋の2部に分けることができます。口蓋の形態は前後(矢状)方向と左右方向に湾曲しているとされています。この形態については様々な報告があり、江西(1939)は1,991例を調査し、第1大臼歯部における前額面の形態を報告しています(図1)。酒井(1956)は107例を調査し、別の分類を行い、帯円形が最も多く77例(71.9%)、V字形、扁平形、波状形が各10例(9.3%)であると報告しています。

口蓋の大きさについては岩垣(1937)、江西(1939)の報告があります(表1)。