唇交連（口の）Commissura labiorum oris

基本構造と位置

口の唇交連は、口の角（口角）において上唇と下唇が合わさる場所です。解剖学的には、口輪筋（M. orbicularis oris）の上唇部と下唇部が交わる部位に位置し、左右に存在します（Gray and Lewis, 2018）。

神経支配

この部位は感覚神経が豊富に分布しており、主に以下の神経によって支配されています（Moore et al., 2021）：

• 三叉神経の第2枝（上顎神経）
• 三叉神経の第3枝（下顎神経）

筋肉構成

唇交連には様々な表情筋が集中しており、表情の形成に重要な役割を果たします（Standring, 2020）：

• 口角挙筋（M. levator anguli oris）
• 口角下制筋（M. depressor anguli oris）
• 頬筋（M. buccinator）
• 口輪筋（M. orbicularis oris）

臨床的意義

唇交連は様々な疾患や症状に関連します：

1. 口角炎（Angular cheilitis）

唇交連に生じる炎症性病変で、主な原因は以下の通りです（Neville et al., 2015）：

• ビタミンB不足
• カンジダ感染
• 唾液の過剰な接触