趾の腱鞘 Vaginae tendinum digitorum pedis

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J0526 (右足底の腱鞘は赤い物質で注入された図)

解剖学的構造

趾の腱鞘は、足の指(第2~5趾)における長趾屈筋腱(flexor digitorum longus tendon)と短趾屈筋腱(flexor digitorum brevis tendon)を取り囲む線維性の管状構造です(Standring, 2020)。母趾には長母趾屈筋腱(flexor hallucis longus tendon)のための腱鞘が存在します。

腱鞘は二層構造を持ちます(Moore et al., 2018):

線維鞘は環状部(annular part)と十字部(cruciate part)から構成され、腱を骨に密着させつつ、屈曲時の腱の浮き上がりを防ぎます(Doyle, 2001)。滑膜鞘は腱を二重に取り囲む漿膜構造で、壁側層と臓側層の間に滑液腔を形成します。

機能的役割

趾の腱鞘の主な機能は以下の通りです(Neumann, 2017):

これらの機能により、足指の屈曲運動がスムーズになり、歩行時の蹴り出し(toe-off)、立位バランスの維持、地面の把持などの動作が円滑に行われます(Perry and Burnfield, 2010)。

臨床的意義

趾の腱鞘に関連する主な病態: