足底腱膜は、足底の皮下に存在し、踵骨から足指に向かって扇形に広がる強い腱膜です。主に縦走線維で構成されていますが、一部には表層の皮膚に向かって垂直方向に走る短くて強い線維もあります。踵骨に近い部分では厚く、次第に薄くなり、中足骨底の位置で5つの束に分かれ、各趾に放射状に広がります。5つに分かれた束は、中足趾節関節のあたりで浅層と深層に分かれ、前者はそのまま各趾の皮膚につき、後者はさらに二分して、趾屈筋の腱を挟んでその腱鞘に付着します。各束からは、趾神経、趾動脈、虫様筋が表層に現れます。足底腱膜が5つの束に分岐する地点では、横走する線維が発達し、各束を互いに結合しているため、これを横束と呼びます。また、足底腱膜の両側縁からは、足底深部に向かって内側および外側の筋間中隔が送られ、これらは近位で著明です。母趾球筋(母趾内転筋を除く)と小趾球筋中足筋群を隔てています。足底腱膜の定義をより広く解釈すると、最もよく発達した部分をその中央部と見なし、これにさらに母趾球筋と小趾球筋を覆う部分をそれぞれ足底腱膜の内側部、外側部と呼び、区別することもあります。このとき、内側部の腱膜は母趾外転筋を覆い、屈筋支帯から続き、外側部の腱膜は小趾外転筋を包み込んでいます。さらに、踵骨隆起と第5中足骨底の間で強く発達しています。