
J0216 (右の寛骨:筋の起こる所と着く所を示す前外側少し下方からの図)

J0437 (錐体筋:腹面図)
錐体筋 Musculus pyramidalis
錐体筋は、腹部の下部に位置する小さな三角形の筋肉です。この筋肉は解剖学的特徴が明確であり、臨床的にも重要な意義を持ちます(Williams et al., 2015; 森ほか, 2018)。以下にその詳細な特徴を解説します:
解剖学的特徴
- 位置:腹直筋鞘の前葉が二層に分かれた間に存在し、恥骨結合の上方に位置しています(Gray, 2020)
- 形状:三角形(錐体形)で、底部が下方、頂点が上方を向いています
- 大きさ:通常、長さは約5〜8cm、幅は基部で約2〜3cm程度と小型です(Standring, 2021)
- 起始:恥骨結合および恥骨結節の前面と恥骨靭帯から起こります
- 停止:白線(linea alba)の下部に停止し、通常は臍と恥骨結合の間の距離の下1/3程度まで達します
- 神経支配:肋下神経(第12胸神経 T12)によって支配されています(Moore et al., 2018)
- 血液供給:下腹壁動脈(inferior epigastric artery)の筋枝によって栄養されています
機能と生理学
- 腹壁の緊張:白線を緊張させ、腹直筋の収縮を補助します(Neumann, 2017)
- 腹圧の調節:腹部内圧を高める際に補助的役割を果たします
- 呼吸補助:強制呼気時に腹壁を固定する補助をします
- 内臓保護:腹部臓器を保護する腹壁の一部として機能します
個体差と変異
錐体筋は解剖学的変異が非常に多い筋肉の一つです(Sato et al., 2016):
- 存在率:約80%の人に存在し、約20%の人には完全に欠如しています