腹直筋鞘の弓状線は、以下のような特徴を持つ解剖学的構造です:
弓状線は、内科医・解剖学者のJames Douglas(1675-1742)によって初めて記載され、ダグラス線とも呼ばれています。
日本人のからだ(堀口正治 2000)によると
弓状線の位置と形状
弓状線、またはダグラス線とも呼ばれるものは、腹直筋鞘後面の存在する部分です。上前腸骨棘のレベルで腹直筋鞘後面が消失し、その下端部に自由縁として現れます。弓状線の下部には、下腹壁動静脈が腹直筋鞘内に入り、上行して上腹壁動静脈枝と吻合します。弓状線は個体により明瞭な弓状の線になることもあれば、その存在がはっきりしないこともあります。その位置も異なり、臍の下方0.5~7cmの範囲に存在するとされています。
弓状線の成因については以下のような説があります: ① 胎児期の膀胱の位置と緩解があるとする説 (Gegenbaur) ② 下腹壁動静脈の通路のために存在するとする説 (Henle) ③ 胎生期に臍動脈を保護するための装置とする説 (K.A. Douglas) ④ 腹膜の鞘状突起が腹壁を破って出ることに関係するとの説 (Eisler)
弓状線は、内科医・解剖学者のJames Douglas (1675-1742)によって初めて記載され、彼の名前はダグラス窩にもつけられました。