
起始: 短肋骨挙筋は第7頸椎(C7)から第11胸椎(T11)までの各椎骨の横突起から起始します(Standring, 2016)。各筋束は対応する椎骨レベルの横突起尖端から発生し、外下方に向かって走行します。横突起との付着部には強固な腱性組織が存在し、筋線維への力の伝達を効率化しています(Bogduk, 2005)。
停止: 各筋束は起始部のすぐ下位にある肋骨の上縁外側部、肋骨角と肋骨結節の間に停止します(Moore et al., 2018)。具体的には、C7横突起から起始する最上位の筋束は第1肋骨に、T11横突起から起始する最下位の筋束は第12肋骨に停止します。停止部では筋線維が肋骨の骨膜に強固に付着し、肋骨の挙上動作に寄与します(Drake et al., 2015)。
短肋骨挙筋は、その名が示すように比較的短い筋束からなります。各筋束の長さは約3〜5cmで、一つの椎骨レベルから次の椎骨レベルへと斜め下方に走行します(Netter, 2019)。筋線維の方向は、矢状面に対して約45度の角度で外下方に向かっています(Standring, 2016)。
短肋骨挙筋は脊柱起立筋群の深層に位置し、最長筋と腸肋筋の下に隠れています。各筋束は独立しており、連続した筋腹を形成せず、分節的な構造を示します(Bogduk, 2005)。この分節性は、各脊髄神経レベルでの独立した神経支配と対応しています。
短肋骨挙筋は以下の構造と解剖学的に隣接しています:
短肋骨挙筋は脊髄神経後枝(posterior rami)の外側枝(lateral branches)によって分節的に支配されます(Standring, 2016)。各筋束は対応する椎骨レベルの脊髄神経後枝から神経支配を受けます。例えば、T3横突起から起始する筋束はT3脊髄神経後枝の外側枝によって支配されます(Bogduk, 2005)。
脊髄神経後枝は椎間孔を出た後、内側枝と外側枝に分かれます。外側枝は腸肋筋と最長筋の間を通過し、短肋骨挙筋に到達します(Drake et al., 2015)。この神経走行は、傍脊柱ブロックや選択的神経根ブロックなどの疼痛管理手技において臨床的に重要です(Karmakar et al., 2011)。