頭板状筋 Musculus splenius capitis

J0077 (頭蓋骨、筋の起こる所と着く所:右方からの図)

J0081 (外頭蓋底:筋の起こる所と着く所を示す図)

J0415 (右側の頭頚部の筋:後方からの図)

J0418 (頚部の筋(第2層):右側からの図)

J0419 (頚部の筋(第3層):前方からの図)

J0420 (頚部の筋(第3層):右側からの図)

J0448 (広い背筋:背面図)

J0449 (広い背中の筋(第2層):背面図)

J0454 (頚部の筋(左:第2層、右:第3層):背面図)

J0927 (脊髄神経の後枝:後方からの図)

J0928 (右上部頚神経の後枝:後方からの図)

J0930 (右の頚神経叢の枝:右側からの図)
解剖学的概要
頭板状筋は、頚部深層に位置する平坦な帯状の筋肉で、頚部後面の第2層を形成する重要な筋群の一つです(Standring, 2020)。この筋は板状筋群(Mm. splenii)に属し、頚板状筋(M. splenius cervicis)とともに頚部の伸展と回旋に重要な役割を果たします。
詳細な解剖学的特徴
起始部
頭板状筋の起始部は以下の構造から始まります:
- 頚靱帯(Ligamentum nuchae)の下半分:第3または第4頚椎から第7頚椎のレベルにかけて
- 第7頚椎(C7)の棘突起:最も突出した棘突起である隆椎から
- 上位3〜4個の胸椎(T1-T4)の棘突起:個人差により第3または第4胸椎まで
これらの起始部から、筋繊維は上外側方向に斜めに走行し、幅広い帯状の形態を呈します(Moore et al., 2018)。
停止部
頭板状筋の停止部は頭蓋骨の以下の部位に付着します:
- 側頭骨の乳様突起(Processus mastoideus)の後面:胸鎖乳突筋の停止部のすぐ後方
- 後頭骨の上項線(Linea nuchalis superior)の外側1/3:僧帽筋の停止部と部分的に重複
この停止部の配置により、頭板状筋は頭部の伸展と回旋に効果的な力学的作用を及ぼすことができます(Agur and Dalley, 2017)。
解剖学的層構造と隣接関係
頭板状筋は頚部の複雑な筋層構造の中で、以下のような位置関係にあります:
- 表層(浅層):僧帽筋(M. trapezius)に覆われており、特に上部線維と中部線維の深層に位置
- 外側:肩甲挙筋(M. levator scapulae)の内側に隣接し、一部で筋繊維が交錯