胸骨舌骨筋 Musculus sternohyoideus

J0074 (舌骨、筋の起こる所と着く所:上方からの図)

J0168 (右鎖骨、筋の起こる所と着く所:下方からの図)

J0417 (頚部の筋(2層):前方からの図)

J0418 (頚部の筋(第2層):右側からの図)

J0419 (頚部の筋(第3層):前方からの図)

J0420 (頚部の筋(第3層):右側からの図)

J0426 (頭側から見た気管始部を通る頚部の断面図)

J0432 (腹側胸壁の筋:背面図)

J0612 (頚部の静脈、腹側図)

J0639 (頭頚部の正中矢状断:左側からの右半分の図)

J0670 (下顎腺とその周囲:右下方からの図)

J0932 (右側の腕神経叢とその短い枝:前面からの図)
概要
胸骨舌骨筋は、前頚部舌骨下筋群(infrahyoid muscles)に属する帯状の筋肉であり、嚥下機能および喉頭の位置調整において重要な役割を果たします。この筋は、頚部正中線の両側に左右対称に位置し、表層に位置するため、臨床的にも容易に触知可能です (Standring, 2021)。
解剖学的特徴
起始
胸骨舌骨筋は以下の部位から起始します (Moore et al., 2023):
- 胸骨柄(manubrium sterni)の後面内側部
- 隣接する鎖骨内側端の後面
- 胸鎖関節の関節包後面
起始部では、左右の筋は互いに近接していますが、通常は正中線で融合することはありません。起始腱は短く、筋束はすぐに筋腹へと移行します (Drake et al., 2020)。
走行
筋は以下のような走行を示します:
- 起始部から上内側方向へ走行
- 頚部正中線に沿って上行し、左右対称に位置
- 胸骨甲状筋の表層を覆う
- 筋腹の長さは約7-10cmで、幅は約1.5-2cm (Ilayperuma et al., 2022)
走行中、筋は頚筋膜の浅葉(superficial layer of cervical fascia)と中葉(middle layer)の間に位置し、前頚部の表層筋として重要な解剖学的指標となります (Sinnatamby, 2022)。
停止
胸骨舌骨筋は舌骨体(body of hyoid bone)の下縁外側部に停止します。停止部の特徴: