頚長筋 Musculus longus colli
頚長筋は、頚椎前面に位置する重要な深頚筋の一つです (Gray & Carter, 2021)。以下に、その解剖学的および臨床的特徴を説明します。

J0423 (深頚筋:正面からの図)

J0424 (右側の椎前筋)

J0426 (頭側から見た気管始部を通る頚部の断面図)

J0929 (右側の頚神経叢と腕神経叢:模式図)
1. 解剖学的特徴
1.1 位置と形態
- 頚椎前面の最深層に位置する、細長い筋肉です (Standring, 2023)。
- 垂直部(中央部)、上斜部(上外側部)、下斜部(下外側部)の3部から構成されています (Moore et al., 2022)。
1.2 詳細な起始・停止
- 垂直部:第3-5胸椎体から起始し、第2-5頚椎椎体に停止します (Netter, 2023)。
- 上斜部:第3-5頚椎横突起前結節から起始し、環椎前結節に停止します。
- 下斜部:第1-3胸椎体から起始し、第5-6頚椎横突起前結節に停止します。
1.3 支配神経と血管
- 神経支配:第2-8頚神経前枝(直接枝)による分節的支配を受けています (Drake et al., 2020)。
- 血管支配:上行咽頭動脈前椎骨枝、上行頚動脈、椎骨動脈からの筋枝により栄養されています。
2. 機能と臨床的意義
2.1 主要機能
- 頚椎の前屈(屈曲)運動を行います (Neumann, 2022)。
- 頚椎の安定性を維持します(特に前後方向)。
- 頭部前傾を補助します。
2.2 臨床的重要性