舌筋 Musculi linguae

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J0660 (舌筋:右側からの図)

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J0661 (舌の深層筋:右側からの図)

舌筋は、舌の形態と運動を担う横紋筋群であり、外舌筋と内舌筋に分類される。外舌筋は舌の位置を大きく変え、内舌筋は舌の形を細かく調整する。舌筋は主に舌下神経(CN XII)によって支配され、口蓋舌筋のみが迷走神経(CN X)に支配される。各外舌筋は食べ物の嚥下や発音に寄与し、内舌筋は舌の形状を変える。神経支配や血管供給の理解は、臨床的な評価や介入において重要である。

概要

舌筋(Musculi linguae)は舌の形態と運動を担う横紋筋群で、外舌筋(extrinsic muscles)と内舌筋(intrinsic muscles)に大別される。外舌筋は舌外(下顎骨・舌骨・茎状突起・口蓋など)から起こって舌に入るため、舌全体の位置(前後・上下・左右)を大きく変える「粗大運動」を担う。一方、内舌筋は舌内部で起始・停止し、舌背や舌尖の形を細かく変える「微細運動(形態変化)」を担う(Standring, 2021; Drake et al., 2023)。

舌筋は基本的に**左右両側の舌下神経(CN XII)**支配であるが、**口蓋舌筋(palatoglossus)のみが例外で、咽頭筋群として迷走神経(CN X;咽頭神経叢)**支配である(Standring, 2021)。

1. 外舌筋(Extrinsic muscles)

外舌筋は舌の「位置」を動かす。個々の筋は単独でも作用するが、実際の嚥下・咀嚼・構音では複数筋が協調して働く(Standring, 2021)。

1) オトガイ舌筋(Genioglossus)

臨床ポイント

オトガイ舌筋は上気道開存に重要で、睡眠時無呼吸症候群(OSA)では舌根沈下に関連して注目される。舌下神経刺激療法(hypoglossal nerve stimulation)は、オトガイ舌筋を含む舌筋群の収縮を介して気道を保つ戦略として位置づけられる(Standring, 2021)。

2) 舌骨舌筋(Hyoglossus)