紡錘状筋 Musculus fusiformis

紡錘状筋は、解剖学的に特徴的な形態を持つ筋肉の一種で、以下のような特性を有しています(Gray and Lewis, 2016; Standring, 2020):

紡錘状筋の代表的な例としては上腕二頭筋(biceps brachii)、腓腹筋(gastrocnemius)などがあります(Netter, 2018)。これらの筋は関節を跨いで配置されており、複数の関節での運動に関与します。紡錘状筋は収縮時に中央部が膨隆するため、筋膜で囲まれた区画内では周囲組織を圧迫する可能性があり、コンパートメント症候群などの病態との関連も考えられます(Drake et al., 2019)。

解剖学的位置関係から、紡錘状筋は神経血管束と隣接していることが多く、外科的処置や整形外科的治療の際には重要な指標となります(Agur and Dalley, 2017)。また、筋電図検査(EMG)では、紡錘状筋特有の電気生理学的特性を示すため、神経筋疾患の診断に役立ちます(Kimura, 2013)。

参考文献