筋は収縮能を持つ組織で、骨格筋、心筋、平滑筋の3種類に分類される。骨格筋は随意的に制御され、運動や姿勢保持に関与し、心筋は自律的に収縮する。筋の形態や微細構造は機能に密接に関連し、筋力低下や損傷、コンパートメント症候群などの臨床的問題も重要である。筋内注射や手術時には神経や血管の位置を考慮する必要がある(Standring, 2021; Moore et al., 2022)。
筋(muscle)は収縮能をもつ組織で、主に 骨格筋・心筋・平滑筋 の3種類に大別されます(Standring, 2021)。このうち骨格筋は随意的に制御され、体壁や四肢で運動を生み、姿勢保持や関節の安定化、呼吸や嚥下、発声など多様な機能に関与します(Moore et al., 2022)。
骨格筋は一般に 起始(origin) と 停止(insertion) を持ち、腱(tendon)や腱膜(aponeurosis)を介して骨や筋膜へ付着します。関節をまたぐ場合、筋の収縮は関節運動を生み、拮抗筋との協調により滑らかな運動が実現されます(Moore et al., 2022)。
筋の形態は機能と密接に関係し、代表的に以下が区別されます(Standring, 2021)。
また筋は、周囲の 血管・神経 とともに筋区画(compartment)を形成し、筋膜や骨間膜により境界づけられます。区画内圧が上昇するとコンパートメント症候群を生じうるため、筋膜・区画の理解は臨床的に重要です(Moore et al., 2022)。
骨格筋線維は筋内膜・筋周膜・筋外膜により束ねられ、内部には筋原線維(myofibril)が配列します。筋原線維はサルコメア(sarcomere)を反復単位とし、アクチンとミオシンの滑り込み(sliding filament mechanism)によって収縮が生じます(Hall, 2021)。
収縮の開始には、運動終板(neuromuscular junction)でのアセチルコリン放出と、筋小胞体からのCa²⁺放出が関与し、トロポニン・トロポミオシン複合体を介してアクチン‐ミオシン相互作用が調節されます(Hall, 2021)。