下橈尺関節は、尺骨の下端にある尺骨頭と橈骨の下端の尺骨切痕の間に位置する関節です。この関節は、前腕の内旋と外旋を担う軸関節であり、上腕尺骨関節と共に前腕を制御します。関節腔の遠位面は、橈骨と尺骨の三角骨の間にある関節円板の上面に位置します。関節円板は三角形で、底辺は橈骨に、先端は尺骨の茎状突起に向かっています。関節腔の一部は上方に広がり、橈骨と尺骨の間に少し広がります。この部分を嚢状陥凹と呼びます。そのため、関節腔はL字型をしています。関節円板は、この関節と橈骨手根骨との間を隔てています。上腕尺骨関節と下腕尺骨関節は協力して、前腕の外旋と内旋を行います。この運動の軸は、橈骨頭と尺骨の茎状突起を結ぶ線であり、尺骨は固定され、橈骨がこの軸を中心に回転します。運動範囲は、橈骨の下端で約180度です。(ただし、上肢を伸ばした状態では、上腕の回旋を伴います。前腕の外旋と内旋が尺橈関節のみで行われる場合は、肘関節をほぼ90度に屈曲させた状態で見ます。)前腕骨間膜と斜角筋の線維方向は、手関節に加わる力を前腕から上腕の方向に伝えるために必要です。また、過度の回旋に際しては、これを制限するために強く引っ張られます。