関節系;連結(Juncturae; Systema articulare)

関節系は骨同士の結合部と付属装置から成り、線維性、軟骨性、滑膜性の3タイプに分類され、可動性や安定性が組織構造で決まる。発生・組織学的基礎から臨床評価(診察・画像・介入)まで網羅し、靱帯損傷や脱臼、感染性関節炎など主要疾患の特徴と診断・治療のポイントを示す。

概要

「連結(junctura)」は、2つ以上の骨(または骨格要素)が結合し、体節間・肢帯・四肢などの運動と安定性を両立させるための構造単位である(Standring, 2021)。関節系(articular system)は、骨同士の接合部そのもの(関節)に加え、関節包・靱帯・線維軟骨・関節唇などの付属装置(accessory apparatus)を含む(Moore et al., 2018)。

1. 発生・組織学的前提(骨・軟骨・膜の連続性)

骨は間葉(mesenchyme)由来の結合組織が分化した特殊組織であり、長骨では軟骨性原基(cartilaginous model)を経る内軟骨性骨化が基本となる一方、頭蓋骨扁平骨などには膜内骨化がみられる(Standring, 2021)。完成した骨格では、骨表面の骨膜(periosteum)、軟骨表面の軟骨膜(perichondrium)、関節面を被う関節軟骨(articular cartilage)、さらに関節を包む関節包(articular capsule)が、結合組織として連続する「被膜系」を形成し、力学的連続性(張力の伝達と局所安定化)を担う(Moore et al., 2018)。

2. 連結部の基本構成(介在組織と関節腔の有無)

骨の連結部には、骨と骨の間に介在する組織(interposed tissue)が残存することがあり、その性状により可動性が規定される(Standring, 2021)。

3. 連結の分類(可動性に基づく整理と現代的理解)

古典的には可動性に基づき、以下のように整理されてきた(Standring, 2021)。

  1. 不動関節(Synarthrosis;結合)

関節腔を持たず、可動性はごく小さい。形態としては縫合(suture)や靱帯性結合、軟骨結合などを含む(Standring, 2021)。

  1. 可動関節(Diarthrosis;分離連結)

関節腔を持つ滑膜性関節(synovial joint)。関節軟骨・関節包・滑膜(synovial membrane)・関節液が基本要素となり、運動様式(屈曲伸展、回旋、滑走など)に応じて靱帯、関節唇、関節円板/半月などの付属装置が加わる(Moore et al., 2018)。

  1. 半関節(Amphiarthrosis)

線維軟骨性結合など、可動性が中等度のものを便宜的に指す用語として用いられてきた。現在は「線維軟骨結合(symphysis)」など、組織学的・形態学的名称で表現するほうが誤解が少ない(Standring, 2021)。

4. 代表的な連結様式(TAに準拠した用語)