真結合線とは、胎児の頭部が母体の骨盤を通過するための障壁である「恥骨後隆起」と「岬角」を結ぶ最短距離です。産科医学では、経膣分娩の可否や帝王切開の必要性を判断するために使用されます。真結合線は胎児の頭部が産道を通過できるかどうかの基準とされ、日本女性の平均値は約11cmです。真結合線は直接測定できないため、産科の臨床では対角結合線を測定し、その値から2cmを減じたものが真結合線となります。また、外結合線から8cmを引く方法や、棘間径から11cmを引く方法もあります。 人類の大きな特徴は、直立二足歩行と大脳の著しい発達であると言われています。直立二足歩行によって上肢が体重の負荷から解放され、手仕事が可能になった一方、全身の体重は下肢にかかるため、骨盤も丈夫になり、産道も狭くなりました。しかし、大脳の発達によって胎児の頭部が大きくなり、狭い産道を通過することが困難になったため、人類は大きな矛盾を抱えることになりました。一方、他の哺乳動物では出産は決して難治ではありません。