
J0227 (女性の骨盤、正中断:左からの右半分、登録された直径付き)
定義と解剖学的特徴
解剖学的結合線(conjugata anatomica)は、骨盤計測における最も重要な指標の一つで、骨盤上口(apertura pelvis superior)の前後径を表します(Moore et al., 2018)。具体的には、仙骨岬角(promontorium ossis sacri)の中点から恥骨結合上縁(margo superior symphysis pubicae)の中点までを結ぶ直線距離を指します(Standring, 2020)。
計測値と臨床的意義
正常女性骨盤における解剖学的結合線の平均値は約11.8cmです(Cunningham et al., 2022)。この値は産科学的結合線(conjugata vera、真結合線)よりも約1cm長く、これは恥骨結合の厚みに相当します。産科学的結合線は恥骨結合後面の最も突出した部分から岬角までを測定するため、実際の産道として機能する空間を反映しています(Williams Obstetrics, 2022)。
臨床応用
関連する骨盤径との比較
骨盤には複数の重要な計測径が存在します(金原出版, 2019):
発生学的・比較解剖学的観点
直立二足歩行を獲得したヒトでは、骨盤が体重支持と分娩という二つの相反する機能を果たす必要があり、他の哺乳類と比較して特徴的な形態を持ちます(Lovejoy, 2005)。女性骨盤は男性骨盤と比較して、解剖学的結合線を含む各径が大きく、骨盤腔全体が広く浅い形状を示します。これは分娩に適応した進化の結果です(Tague & Lovejoy, 1986)。