肩峰端(鎖骨の)Extremitas acromialis claviculae

J0165 (右の鎖骨:上方からの図)

J0166 (右の鎖骨、下方からの図)
解剖学的構造
鎖骨の肩峰端(Extremitas acromialis claviculae)は、鎖骨の外側端に位置し、肩甲骨の肩峰(Acromion)と連結して肩鎖関節(Acromioclavicular joint)を形成する重要な解剖学的構造です(Standring, 2020)。
形態的特徴:
- 鎖骨の外側端に位置し、胸骨端と比較して扁平で幅広い形状を呈する(Moore et al., 2018)
- 肩峰関節面(Facies articularis acromialis):楕円形または円形の小さな関節面で、肩甲骨の肩峰と関節を形成する。この関節面は軟骨で覆われている(Netter, 2019)
- 円錐靱帯結節(Tuberculum conoideum):肩峰端のやや内側下面に存在する粗面で、烏口鎖骨靱帯の円錐靱帯が付着する(Standring, 2020)
- 僧帽筋線(Linea trapezoidea):円錐靱帯結節の外側に続く粗線で、烏口鎖骨靱帯の僧帽靱帯が付着する(Moore et al., 2018)
関節構造
肩鎖関節は平面関節(滑膜性関節)であり、以下の特徴を持ちます(Netter, 2019):
- 関節包は薄く、上方は肩鎖靱帯によって補強される
- 関節腔内には線維軟骨性の関節円板が存在することがある(個人差あり)
- 烏口鎖骨靱帯(円錐靱帯と僧帽靱帯)が肩鎖関節の主要な安定化機構となる(DePalma, 1983)
付着する筋・靱帯
- 三角筋:鎖骨の外側1/3の前縁から起始(Moore et al., 2018)
- 僧帽筋:鎖骨の外側1/3の後縁に停止(Moore et al., 2018)
- 肩鎖靱帯:関節包を補強(Standring, 2020)
- 烏口鎖骨靱帯(円錐靱帯・僧帽靱帯):肩鎖関節の安定性に最も重要(DePalma, 1983)
機能