軸椎(第二頚椎)Axis [CII]

J0122 (軸椎:右方からの図)
J0123 (軸椎:腹側からの図)

J0125 (頚椎:前面からの図)

J0137 (各種の椎骨と椎骨の破格を集めて、個々のピースの形態学的価値を示します(Quainによる))

J0154 (新生児の軸椎:前方からの図)

J0157 (6ヶ月胎児の軸椎:前方からの図)

J0296 (後頭骨と第1から第3の頚椎は、前方から見ると靱帯と結合する)

J0297 (後頭部、環椎、軸椎とその靱帯:後方からの図)

J0298 (環椎と軸椎の靱帯:上方からの図)

J0299 (後頭骨、第1および第2頚椎とその靭帯(第3層):後方からの図)

J0300 (後頭骨、最初と二番目の頚椎(第4層):後方からの図)

J0301 (後頭骨および第1から第3の頚椎、靱帯(第二層):後方からの図)

J0302 (後頭骨と最初から三番目までの頚椎を含む正中矢状断とそのリング状の組織:左方からの若干図式化された図)

J0639 (頭頚部の正中矢状断:左側からの右半分の図)

J0674 (咽頭とその周囲の右半分:左側からの図)

J0928 (右上部頚神経の後枝:後方からの図)
概要
軸椎(axis)は第2頚椎(C2)であり、環椎(第1頚椎)の下方に位置する特殊な形態を持つ頚椎です。その最大の特徴は上方に突出する歯突起(dens axis / odontoid process)であり、この構造により頭部の回旋運動が可能となります。歯突起は発生学的には環椎の椎体部が軸椎と融合したものとされています(Moore et al., 2018)。
解剖学的構造
椎体と歯突起
軸椎の椎体は他の頚椎と比較してやや大きく、強固な構造を持ちます。椎体の上面から垂直に突出する歯突起は、軸椎の最も特徴的な構造であり、高さは約15mmに達します(Standring, 2020)。歯突起は以下の関節面を有します:
- 前関節面(facies articularis anterior):歯突起の前面に位置し、環椎の前弓内面と正中環軸関節を形成します。この関節面は卵円形で、滑膜関節です。
- 後関節面(facies articularis posterior):歯突起の後面に位置し、環椎の横靭帯(ligamentum transversum atlantis)と接触します。この関節も滑膜関節として機能します。
歯突起の先端部(apex dentis)には歯突起尖靭帯(ligamentum apicis dentis)が付着し、翼状靭帯(ligamenta alaria)は歯突起の両側面から後頭骨に向かって伸びています(Netter, 2019)。
関節面
軸椎は環椎および第3頚椎と関節を形成します:
- 上関節面(facies articularis superior):軸椎の椎体上面外側部に位置する大きな平坦または軽度凸面の関節面で、環椎の下関節窩(fovea articularis inferior)と外側環軸関節を形成します。この関節面は円形に近い形状を呈し、やや外側かつ上方を向いています。
- 下関節面(facies articularis inferior):椎弓根と椎弓板の移行部に位置し、第3頚椎の上関節突起と椎間関節を形成します。この関節面は前下方を向いています。
椎孔
軸椎の椎孔(foramen vertebrale)は他の頚椎よりもやや小さく、三角形に近い形状を呈します。これは歯突起が椎孔の前方スペースを占めるためです。椎孔内には脊髄(medulla spinalis)が通過し、歯突起の後方を走行します(Standring, 2020)。
椎弓根と椎弓板
- 椎弓根(pediculus arcus vertebrae):椎体から後外側方に伸びる太く短い骨性構造で、上方には上椎切痕(incisura vertebralis superior)、下方には下椎切痕(incisura vertebralis inferior)があります。
- 椎弓板(lamina arcus vertebrae):椎弓根から後内側に向かって伸び、正中で癒合して椎弓を完成させます。軸椎の椎弓板は比較的厚く強固です。
突起