軸椎(第二頚椎)Axis [CII]
軸椎は第2頚椎を指し、環椎(第1頚椎)の下に位置する頚椎です。その最も特徴的な構造として、上部に突き出た歯状の突起である「歯突起(dens axis)」があります。この歯突起は発生学的には環椎の椎体が軸椎と融合したものです(Moore et al., 2018)。
解剖学的特徴
軸椎は以下の解剖学的特徴を持ちます(Standring, 2020):
- 歯突起(dens axis/odontoid process):環椎の前弓と横靭帯の間に位置し、頭部の回旋運動の軸となります。
- 上関節面:軸椎の上面外側部に位置し、環椎の下関節窩と関節を形成します。
- 椎孔:脊髄を通す中央の孔で、他の頚椎と比較して三角形に近い形状です。
- 椎弓根:椎体から後方に伸びる骨の部分です。
- 椎弓板:椎弓根から続き、棘突起へとつながる扁平な骨部分です。
- 棘突起:後方に突出した突起で、二分岐しています。
軸椎の歯突起には以下の関節面があります(Netter, 2019):
- 前関節面:歯突起の前面に位置し、環椎の前弓内面と関節を形成します。
- 後関節面:歯突起の後面に位置し、環椎の横靭帯と接触します。
靭帯構造
軸椎には重要な靭帯が付着しています(Cramer and Darby, 2017):
- 歯突起靭帯:歯突起の先端から後頭骨の大後頭孔の前縁に付着します。
- 翼状靭帯:歯突起の側面から後頭骨の内側に向かって広がります。
- 環軸関節包靭帯:環椎と軸椎の関節を包む靭帯です。
臨床的意義
軸椎は以下の臨床的意義を持ちます(Joaquim et al., 2020):