槽間中隔(下顎骨の)Septa interalveolaria (Mandibulae)

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J0656 (下顎切歯(中切歯)を含む周囲を通る断面)

定義と構造

下顎骨の槽間中隔(Septa interalveolaria)とは、隣接する歯槽(歯根を取り囲む骨性の窩)を隔てる骨性隔壁のことを指します(Gray, 2021)。これらは主に緻密骨(cortical bone)から構成される薄い壁状構造物で、隣接する歯根間に位置し、個々の歯槽を区画しています(Lindhe et al., 2015; Nanci, 2018)。槽間中隔は歯槽骨(alveolar bone)の一部であり、固有歯槽骨(lamina dura)と支持歯槽骨(supporting alveolar bone)の両方の要素を含んでいます(Berkovitz et al., 2017)。

解剖学的特徴

臨床的意義

加齢変化

年齢とともに骨密度が低下すると、槽間中隔の構造も変化し、歯の支持力に影響を与えることがあります(Eke et al., 2012)。特に閉経後の女性では、エストロゲン減少に伴う骨代謝の変化により、槽間中隔を含む歯槽骨の骨密度低下が顕著となります(Jeffcoat, 2005)→骨粗鬆症患者では歯槽骨の骨密度が有意に低く、歯周疾患のリスクが高まることが報告されています。これにより、高齢者では歯の動揺(tooth mobility)や脱落のリスクが高まることがあります(Papapanou and Tonetti, 2000)。また、加齢に伴う血管供給の減少や骨代謝の低下により、槽間中隔の修復能力も低下し、歯周治療や外科的処置後の治癒が遅延する傾向があります(Deschner et al., 2011)。

参考文献