前頭突起(頬骨の)Processus frontalis (Os zygomaticum)

J0059 (右の頬骨:外側からの図)

J0060 (右の頬骨:内側からの図)
解剖学的特徴
頬骨の前頭突起は、頬骨体から上方に向かって突き出る厚い骨性突起で、前頭骨の頬骨突起と結合して頬骨前頭縫合(sutura zygomaticofrontalis)を形成します(Standring, 2020)。この突起は眼窩の外側壁の重要な構成要素であり、顔面骨格の強度と形態維持に寄与しています(Moore et al., 2018)。
構造的特徴
- 外側面は平滑で、側頭筋膜が付着します(Netter, 2018)
- 内側面(眼窩面)は眼窩の外側壁を形成し、平滑な骨面を呈します(Standring, 2020)
- 前縁は眼窩縁の外側部分を構成し、触診可能な骨性隆起として触知されます(Moore et al., 2018)
- 後縁は側頭窩に面し、側頭筋の一部が付着します(Netter, 2018)
関節と縫合
- 上方で前頭骨の頬骨突起と頬骨前頭縫合を形成(Standring, 2020)
- 内側で上顎骨の頬骨突起および蝶形骨大翼と結合(Moore et al., 2018)
- これらの結合により、顔面骨格の強固な支持構造が形成されます(Standring, 2020)
臨床的意義
外傷と骨折
- 頬骨複合体骨折(tripod fracture)において、前頭突起は主要な骨折線の一つとなります(Ellis & Zide, 2018)
- 頬骨前頭縫合部の離開は、眼窩外側縁の変形や眼球位置異常を引き起こす可能性があります(Manson et al., 1990)
- 骨折後の治療では、眼窩容積の維持と対称性の回復が重要となります(Strong & Gary, 2013)
眼窩との関係
- 前頭突起の骨折や変位は眼窩容積を変化させ、眼球陥凹(enophthalmos)や複視を引き起こす可能性があります(Hammer, 1995)