鱗部(側頭骨の)Pars squamosa (Ossis temporale)

J0026 (右の側頭骨:外側からの図)

J0027 (側頭骨:内上方からの図)

J0028 (右の側頭骨:下方からの図)

J0029 (右の側頭骨:前方からの図)

J0030 (右の側頭骨:切断、外側部を削り取って鼓室とその周囲を示す図)

J0031 (7-8歳の右側頭骨:外側から少し下方から図)

J0032 (新生児の右側頭骨:外側からの図)
J0033 (新生児の右側頭骨:外側からの図)

J0034 (新生児の右側頭骨:内側からの図)

J0085 (内頭蓋底、アノテーション付き)

J0087 (左側からの頭蓋骨の正中断図)

J0088 (右側の側頭窩:外側からの図)

J0098 (14cm長(4ヶ月)胎児の内頭蓋底)
J0099 (18cm長(4ヶ月)胎児の内頭蓋底)
J0100 (12cm長(4ヶ月)胎児の内頭蓋底)
J0101 (14 cm長(4ヶ月)胎児の内頭蓋底)

J0102 (19cm長(5ヶ月の初め)胎児の内頭蓋底)

J0103 (28cm長(6ヶ月)胎児の内頭蓋底)

J0108 (18cm長(4ヶ月)胎児、右側の側頭鱗と鼓室輪)
J0109 (約6cm長(約14週)胎児の右側壁骨)
J0110 (約4ヶ月胎児の前頭骨:前方からの図)

J1027 (右外耳道に垂直な断面:前方からの図)
解剖学的構造
側頭骨の鱗部は側頭骨を構成する4つの部分(鱗部、鼓室部、乳様部、錐体部)のうち最も大きく、扁平な骨板である(Gray, 2020; Standring, 2021)。
形態と寸法
- 垂直に配向した半円形の薄い骨板で、厚さは部位により異なる:
- 中央部:約2-3mm(Netter, 2019)
- 上縁部:約0.5mmと極めて薄く、「カミソリのような薄さ」と表現される(Drake et al., 2020)
- 下部:頬骨突起基部付近では約5-7mmと比較的厚い(Schünke et al., 2020)
- 成人の鱗部の大きさは約5cm×5cm、新生児では約3cm×3cmで、成長とともに拡大する(Netter, 2019; Carlson, 2019)。
- 外面は滑らかで凸面を呈し、側頭筋が付着する(Moore et al., 2018)。
- 内面は凹面を呈し、大脳の側頭葉の外側面を覆う(Standring, 2021)。
境界と縫合
- 上縁:頭頂骨と鱗状縫合(sutura squamosa)を形成
- 鱗状縫合は重複縫合(squamous suture)で、側頭骨が頭頂骨の内側に重なる構造(Gray, 2020)
- この重複構造により、側方からの外力に対する耐性が高まる(Drake et al., 2020)
- 前上縁:蝶形骨大翼と蝶形鱗状縫合(sutura sphenosquamosa)を形成
- この縫合は成人では癒合していることが多い(Standring, 2021)
- 前下部:頬骨と側頭頬骨縫合(sutura temporozygomatica)を形成(Moore et al., 2018)
- 後下縁:乳様部と連続し、錐体鱗状縫合(sutura petrosquamosa)を介して錐体部と接する(Gray, 2020)
主要な突起と構造
頬骨突起(Processus zygomaticus)
- 鱗部の下外側部から前方に約2.5-3cm延びる骨性突起(Gray, 2020)
- 断面は三角形で、基部の幅は約1cm、先端部は約0.5cmと細くなる(Netter, 2019)
- 頬骨の側頭突起(processus temporalis ossis zygomatici)と連結し、頬骨弓(arcus zygomaticus)の後部約40%を構成する(Moore et al., 2018)
- 上縁は鈍で、側頭筋膜の深葉が付着する(Drake et al., 2020)