翼状突起 Processus pterygoideus (Ossis sphenoidalis)
翼状突起は、蝶形骨における重要な構造要素であり、その解剖学的構造と臨床的意義について以下に詳述します (Standring et al., 2021)。

J0024 (蝶形骨:前方からの図)

J0025 (蝶形骨:後方からの図)

J0679 (咽頭の上端:下方からの図)

J1043 (右の耳管軟骨、下方からの図)
1. 解剖学的特徴
位置と構造
- 蝶形骨体と蝶形骨大翼の下面から下方に伸びる突起で、左右対称に存在します (Drake et al., 2020)。
- 頭蓋底面とほぼ直角に突出しており、その形態は特徴的です。
構成要素
- 外側板と内側板の2つの骨板から構成されています (Moore et al., 2022):
- 外側板:側頭筋および外側翼突筋の重要な付着部位として機能し、咀嚼運動に関与します。
- 内側板:内側翼突筋の付着部位となり、特徴的な翼鉤を形成します。
周辺構造との関係
- 前面:口蓋骨垂直板および上顎体後部と接続し、後鼻孔の外側壁の形成に寄与します (Netter, 2023)。
- 根部:前後方向に走行する翼突管が貫通し、その中を翼突管神経および血管が通過します。
2. 臨床的意義
筋肉付着部としての重要性
- 咀嚼筋群の主要な付着部位となっています (Norton, 2023)。
- 翼突筋群に機能障害が生じると、顎関節症や咀嚼障害を引き起こす可能性があります。
麻酔処置における意義
- 局所麻酔施行時の重要な解剖学的指標となります (Malamed, 2024)。
- 特に上顎神経ブロックを行う際の重要なランドマークとして利用されます。
耳管との関連性
- 耳管機能への影響:
- 耳管軟骨の支持構造として機能し、中耳腔の適切な換気維持に重要な役割を果たします (Bluestone, 2023)。
3. 発生学的観点