蝶形骨棘 Spina ossis sphenoidalis

蝶形骨棘は、頭蓋底の重要な解剖学的指標となる骨性突起です。この構造は、蝶形骨の大翼の外側縁と後縁が交差する部分の下面から、鋭く下方に突出しており、頭蓋底の外科的アプローチにおいて重要な指標となります (Standring et al., 2021)。

解剖学的特徴

臨床的意義

蝶形骨棘は、以下の臨床的場面で重要な意味を持ちます (Tubbs et al., 2016):

また、稀に見られる翼棘孔は発生学的変異であり、この部位での神経血管束の圧迫により神経症状を呈することがあります。手術時には、この変異の存在を念頭に置く必要があります (Rhoton, 2020)。

参考文献