




J0357 (頭蓋骨:右左方向からのX線像、軸線は右の外耳道の少し上から入ります)










外後頭隆起は、後頭骨の後頭鱗の外側ほぼ中央に位置する骨性隆起です。解剖学的および臨床的に重要な構造で、その詳細は以下の通りです。
外後頭隆起は頭蓋骨の後部中央、後頭骨の外面に位置する突出部です(Gray and Lewis, 2019)。上項線(linea nuchae superior)と最上項線(linea nuchae suprema)の間に位置します(Netter, 2018)。
項靱帯(ligamentum nuchae)の付着部となっています(Tubbs et al., 2016)。僧帽筋(m. trapezius)や頭板状筋(m. splenius capitis)など、複数の頚部筋肉の起始部として機能します(Clemente, 2010)。
外後頭隆起は脳の重量を支える重要な役割を果たします(Scheuer and Black, 2004)。首の筋肉が頭部を動かすための力点となり、頭部の伸展と回旋運動に寄与します(Kapandji, 2008)。また、項靱帯を介して頸椎と連結し、頭部の姿勢維持に貢献します(Bogduk, 2016)。
触診の際の重要なランドマークとなり、髪を結ぶ際に頭部後方で容易に触知できます(Magee, 2014)。外傷性頭蓋骨骨折の評価において参照点となることがあります(Saukko and Knight, 2015)。
頚部筋の付着部であるため、緊張性頭痛や後頭神経痛の原因部位となることがあります(Fernández-de-las-Peñas et al., 2010)。長時間の前傾姿勢によるスマートフォン使用などで、この部位の骨棘形成(通称「スマホ首」)が若年層でも報告されています(Shahar and Sayers, 2018)。
日本人の頭蓋骨に関する形態学的研究では、以下のことが明らかになっています(平田, 2000; 山口, 2015)。
隆起の程度には顕著な個人差があり、性差も認められます(男性でより発達する傾向)(鈴木, 2010)。隆起の下縁は上項線によって比較的明瞭に区分されますが、上縁は一般に不明瞭です(木田, 2008)。