ラムダ状縁(後頭骨の)Margo lambdoideus ossis occipitalis

J0020 (後頭骨:前方からの図)
解剖学的記述
ラムダ状縁は、後頭骨の上部外側縁を形成する重要な解剖学的構造です。この縁は後頭骨の鱗部(扁平部)の上外側を走行し、左右の頭頂骨と接合してラムダ状縫合(sutura lambdoidea)を形成します(Standring, 2020)。
形態学的特徴:
- ラムダ状縁は後頭骨の鱗部の上縁から外側上方に向かって走行し、頭頂骨の後縁と接合します(Netter, 2018)。
- この縁は鋸歯状(歯車状)の形態を呈しており、これにより頭頂骨との強固な線維性結合が可能となっています(Moore et al., 2017)。
- その名称は、左右のラムダ状縁と矢状縫合が交わる点(ラムダ点)がギリシャ文字のラムダ(λ)の形に似ていることに由来します(Standring, 2020)。
- ラムダ状縁の内面には、硬膜静脈洞の一つである横静脈洞の溝が認められます(Sinnatamby, 2011)。
発生学的意義:
- 胎生期において、ラムダ状縫合が交わる部位には小泉門(後頭泉門、fontanella posterior)が存在します(Sadler, 2018)。
- 小泉門は通常、生後2〜3ヶ月で閉鎖しますが、ラムダ状縫合自体は成人期まで完全には骨化せず、頭蓋骨の成長を可能にしています(Cohen & MacLean, 2000)。
- ラムダ状縫合は通常、30〜40歳代から徐々に骨化が進行し、最終的には癒合します(Standring, 2020)。
機能的重要性:
- 頭蓋冠の形成における重要な構造要素であり、頭蓋骨の後部の形状と強度を維持しています(Moore et al., 2017)。
- 新生児期から小児期にかけて、頭蓋骨の成長を可能にする成長線として機能します(Sadler, 2018)。
- 出産時には、この縫合部が頭蓋骨の可動性を提供し、産道通過を容易にします(Cohen & MacLean, 2000)。
臨床的意義
頭蓋骨縫合早期癒合症(craniosynostosis):