眉間 Glabella
眉間(Glabella)は、解剖学的および臨床的に重要な特徴を持つ構造です(Standring, 2020):

J0035 (前頭骨:前方からの図)

J0037 (前頭骨:下方からの図)
解剖学的特徴
- 位置:両眉の間にある僅かに突出した部分で、鼻根部(nasion)のすぐ上に位置します(Gray and Carter, 2021)。
- 骨学:前頭骨の正中部に位置し、眉弓(superciliary arches)の間の滑らかな領域を形成します(Tubbs et al., 2019)。
- 発生学的には、前頭骨の間縫合(metopic suture)の上部に相当し、この縫合は通常2-3歳で閉鎖します(Moore et al., 2018)。
- 皮膚構造:この部位の皮膚は比較的薄く、その下には前頭筋(frontalis muscle)が存在します(Sinnatamby, 2022)。
臨床的意義
- 頭蓋測定学(craniometry)における重要な標識点(landmark)として使用されます(Martin and Knussmann, 2019)。
- 前頭洞炎の際に圧痛が出現する部位の一つです(Schuenke et al., 2020)。
- 顔面外傷において、前頭骨骨折の評価に重要な部位となります(Flint et al., 2022)。
- 美容医学では、しわの形成(グラベラ線)が見られる部位として、ボツリヌス毒素治療の一般的な施術部位です(Carruthers et al., 2019)。
- 頭蓋内圧亢進時に見られる「夕日徴候(setting sun sign)」の評価に関連します(Kumar et al., 2021)。
解剖学的変異
- 前頭骨の形態によって、平坦な形状から明らかに突出した形状まで個人差があります(Wilkinson, 2019)。
- 人種間および性別間で形態学的差異が存在し、法医学的個人識別に利用されることがあります(İşcan and Steyn, 2023)。
眉間部は顔面表情筋の一部である眉間筋(corrugator supercilii muscle)の付着部でもあり、表情の形成や感情表現において重要な役割を果たしています(Netter, 2021)。また、解剖学的標識点としての役割から、頭蓋顔面手術や人類学的研究においても重要な位置を占めています(Taylor and Wedel, 2020)。
参考文献
書籍