上矢状洞溝 Sulcus sinus sagittalis superioris

J0039 (右の頭頂骨:内側からの図)
解剖学的特徴
上矢状洞溝(じょうしじょうどうこう)は、頭蓋骨内面における重要な血管溝であり、以下の解剖学的特徴を有します(Gray, 2020; Standring, 2016):
位置と形態
- 頭頂骨の内面(脳側)の上縁に沿って走行する浅い溝状の陥凹(Netter, 2019)
- 左右の頭頂骨が正中線で結合する際、対側の同名溝と合わさって一つの連続した溝を形成
- 前方は前頭骨内面の上矢状洞溝に連続し、後方は後頭鱗内面の同名溝へと移行(Standring, 2016)
- 溝の幅は通常5-10mm程度で、比較的広く浅い形状を示す(Rhoton, 2007)
周囲構造との関係
- 溝の両側には顆粒窩(かりゅうか、Foveolae granulares)が散在し、クモ膜顆粒を収容(Standring, 2016)
- 溝の側方には静脈溝が分岐し、架橋静脈の走行路となる(Rhoton, 2007)
- 内面からは動脈溝が分岐し、中硬膜動脈の前頭枝・頭頂枝を収容
- 矢状縫合部では骨間縫合により強固に結合
収容する血管構造
- 上矢状洞(Superior sagittal sinus):硬膜静脈洞の中で最も重要かつ最大の静脈洞(Bono et al., 1996)
- 前方は盲孔(Foramen cecum)付近から起始
- 後方に向かって徐々に拡大し、内後頭隆起付近で横静脈洞に移行
- 全長約25-30cm、直径は前方で3-5mm、後方で10-15mmに達する(Standring, 2016)