A02_0073（頬骨弓）

頬骨弓は、頬骨の隆起を形成する骨構造です。頬骨と頭蓋骨の側頭骨をつないでいます。その後端は耳の孔（外耳孔）の近くまで伸びています。頭蓋を正面から見ると、顔面は頬骨弓の部分が最も広く、それよりも下方では急に幅が狭くなります。頬骨の側頭突起が頬骨の後下部より後方に突出し、側頭骨の頬骨突起と連結して形成された骨弓を指します。この骨弓はほぼ水平に位置しています。側頭突起と頬骨突起の間には、前方から後方へ斜めに走る縫合があり、これを側頭頬骨縫合と呼びます。頬骨弓からは咀嚼筋の一つである咬筋が発生し、下顎角の咬筋粗面につながります。また、頬骨弓の最も突出した点を頬骨弓点と呼び、両側のこの点の間の距離を頭蓋の顔面幅最大長としています。頬骨弓の下方のくぼみにある脂肪塊（頬脂肪体）は、通常の皮下脂肪とは異なり、線維の少ないみずみずしい脂肪組織で構成されており、いくらを詰めたような構造をしています。