栄養管 Canalis nutriens
栄養管(canalis nutriens)は、骨の栄養血管系を構成する重要な解剖学的構造であり、骨の代謝と生理機能において中心的な役割を果たします(Trueta & Harrison, 1953; Rhinelander, 1974)。
解剖学的特徴
構造と走行:
- 栄養管は骨表面の栄養孔(foramen nutricium)から骨髄腔へと貫通する管状の構造です(Hughes, 1952)
- 長管骨では通常、骨幹部の中央付近に位置し、斜めに骨髄腔へ向かって走行します(Bridgeman & Broome, 1961)
- 管の直径は約0.5~2mm程度で、骨の種類や大きさによって異なります(Kizilkanat et al., 2007)
- 栄養管は骨皮質を斜めに貫通し、その走行方向は「肘に向かって逃げる(away from the elbow)」という原則に従う傾向があります(Henderson, 1978)
内容物:
- 栄養動脈(arteria nutricia):骨への主要な血液供給源(Rhinelander, 1974)
- 栄養静脈(venae nutriciae):1~2本の静脈が伴走します(Brookes & Revell, 1998)
- 神経線維:感覚神経と自律神経線維が含まれます(Mach et al., 2002)
- 周囲結合組織:血管と神経を支持する疎性結合組織
血管の分布パターン:
- 栄養動脈は骨髄腔に入ると、上行枝と下行枝に分岐します(Trueta & Harrison, 1953)
- これらの枝は骨内膜血管網を形成し、骨髄と骨皮質の内側3分の2に栄養を供給します(Brookes & Revell, 1998)
- 骨皮質の外側3分の1は骨膜血管系によって栄養されます(Rhinelander, 1974)
機能的意義
栄養供給:
- 骨細胞(osteocytes)、破骨細胞(osteoclasts)、骨芽細胞(osteoblasts)への酸素と栄養素の供給(Parfitt, 1994)