解剖学には、系統解剖学と局所解剖学があります。系統解剖学は、人体を骨格系・筋系・神経系、その他の諸系統に区別し、各系統を別々に逐次に記述するものです。一方、局所解剖学は、人体の各部位における諸系統相互の関係を扱うものです。局所解剖学は、臨床医学、とくに外科学に対する重要な予備知識をなすものであるから、応用解剖学、あるいは外科解剖学とも呼ばれます。解剖学は全ての医学の基本になるものであるため、系統解剖学と局所解剖学を総合的に学習することが望まれます。しかし、近年の医学教育カリキュラムの全国的な趨勢として、解剖学教育のための時間数が大幅に圧縮され、実習中心のカリキュラムになっていることが現状です。貴重なご献体を用いた実習であるため、系統解剖学は独学で学習する必要があります。また、国際的な解剖学用語がラテン語と英語の併記になったことを考えると、その両方を習得する必要があります。